2016年1月7日木曜日

GRAPEOFF「ワインをグローバルな視点でとらえる」

「GRAPEOFFのワインはこちらから」

ソムリエの第一人者である田崎真也氏の著書からの引用です。
すこし長いですがお付き合い頂ければ・・・・

お客様との会話の中で、「ドイツワインとフランスワイはどう違うんですか?」
というようなことをよく聞かれる。確かにワインは国別に分類するのが一般的だが、私はワインを国別に語るというのはあまり意味のないことだと思っている。


フランスボルドーのシャトー・リューサック


 もちろん、その国の歴史的な背景やワインに関する法律なども、ワインを知るうえで重要を
ことなるかもしれないが、たまたま人間が作った国境という狭い分け方で見るよりも、ワインができる地域や気候をグローバルに見ていった方が、ワインを深く理解することができると思う。

 たとえば、フランスワインやドイツワインなら、まず、ヨーロッパ大陸というエリアで見てみる。すると、ワインが造られている地域は、北緯52度から30度までだということがわかる。ドイツのザクセン地方が北緯52度で、そのまま西にいって、ルクセンブルク、ベルギー、このあたりがだいたいヨーロッパにおける北限ということになる。
イタリアのジャン・コンテ・ジローラモ

しかし、これを日本の周辺で見てみると、戦前、サハリン(旧樺太)と旧ソ連に分割されていた時の国境が、北緯52度だから、北緯52度というと、ちょうどサハリン北部ということになるが、このような寒い環境ではもうブドウは育たない。これがヨーロッパなら育つというのは、メキシコ湾流や偏西風などの影響で、緯度の高いわりには気候が温暖だからということである。
同じ北緯52度でも、気候が違うと事情は違ってくるのだ。

アメリカ・セントラルコースト ブラスタックス
一方、南半球では、南緯30度を中心に、25度から45度近くまでの範囲でワイン醸造用のブドウが栽培されている。中でも上質なワインの産地というと、アルゼンチンのメンドサ州(アンデス山脈の標高およそ600メートルの丘陵地帯にある)、チリのサンティアゴ周辺、オーストラリアのサウス・オーストラリア州、南アフリカ共和国南部のステレンボッシュ(ケープタウンの東約50キロにある町)やパール(ケープタウンの北東50キロにある町)などが知られている。


オーストラリア マクラーレン・ヴェール
クリムゾン・シルク スパークリング
 
こうして地球全体で見てみると、ワインは北から南まで、かなり広範囲で異なった環境の中で造られていることがわかる。だから、どういう国(地域)でどうゆうワインが造られているかといことも、国境という小さな枠組みの中で考えるよりも、もっとグローバルな見方で、その場所の気候の違いなどから考えていったほうが、正確な違いや共通点がわかるようになると思う。

ロバートランがグローバルな視点で選んだワインは、フランス、イタリア、アメリカ そして
オーストラリアまで、新しい体験を皆様にお届けしています。


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